子どもの頃、誰もが一度は聞かれたことのある質問があります。そう、「大人になったら何になりたい?」という問いです。私が子どもだった頃の定番の答えといえば、消防士かサッカー選手でした。
しかし、もしあなたのお子さんがこの質問に対して「アリピラリウス(Alipilarius)」と答えたとしたら——その夢は早めに頭から取り除いてあげることをおすすめします。なぜなら、アリピラリウスとは、古代ローマにおいて高級娼婦や遊女の陰毛を抜くことを専業としていた奴隷を指す言葉だからです。

古代ローマにおける脱毛の習慣
古代ローマの女性たちにとって、陰毛は見苦しく不潔なものとみなされていました。そのため、思春期に体毛が生え始めると同時に処理するのが一般的な習慣となっていたのです。こうした脱毛師たちは、主に売春宿でその「職業」を営み、時代に応じたさまざまな方法を駆使していました。
当時使われていた主な脱毛方法
- 毛抜き(ウォルセラ/volsella):一本ずつ丁寧に毛を抜く基本的な道具
- 樹脂ベースの脱毛クリーム(フィロトルム/philotrum):ワックスのような感覚で毛を除去する薬剤
「アリピラリウス」という名称はラテン語に由来し、脇毛や陰毛など、体の細かい毛を扱う職人を意味していました。現代のように安全なカミソリや電気シェーバーが存在しなかった時代、滑らかな肌を保つことは身だしなみの象徴であり、それを担う専門の奴隷が必要とされていたのです。
つまり、もし我が子が「アリピラリウスになりたい」と言い出したら、それは古代ローマの風変わりな歴史に興味を持った証拠かもしれません。ただし、現代の職業選択としては、別の道をおすすめします。