ヨーロッパの歴史

スペイン海外帝国の終焉――1898年、400年の歴史に幕を下ろした日

スペイン海外帝国の終焉――1898年、400年の歴史に幕を下ろした日
スペイン海外帝国の終焉――1898年、400年の歴史に幕を下ろした日

画像出典:www.segunlospadresloshijos.com/…/tag/historia/

1898年の米西戦争で敗北したスペインは、同年12月10日に調印されたパリ条約において、当時急速に台頭しつつあった新興国アメリカ合衆国へ、キューバ、プエルトリコ、フィリピン、そしてグアム島を譲り渡しました。

さらに翌1899年には、太平洋に残されていた帝国最後の拠点――カロリン諸島、マリアナ諸島(グアムを除く)、そしてパラオ――をドイツへ売却します。こうしてスペインは、かつて「太陽の沈まぬ国」と謳われた旧植民地帝国の清算を完了したのです。

パリ条約(1898年)――米西戦争の決着

米西戦争は、キューバの独立運動をめぐる両国の対立が発端となり、1898年4月に開戦しました。マニラ湾海戦やサンティアゴ・デ・クバ海戦で圧倒的な勝利を収めたアメリカが優位のまま、戦争は短期間で終結しています。

講和条約であるパリ条約で、スペインは次の領土を失いました。

  • キューバ(形式上は独立へ。ただし実質的にはアメリカの強い影響下に置かれる)
  • プエルトリコ(アメリカへ譲渡)
  • フィリピン(2000万ドルの代金と引き換えにアメリカへ譲渡)
  • グアム島(アメリカへ譲渡)

1899年、ドイツへの残存領土の売却

パリ条約締結後も、ミクロネシア海域に点在する島々は依然としてスペイン領のまま残されていました。しかし、遠隔地の島嶼群を維持するだけの経済的・軍事的余力は、もはやスペインにはなかったのです。

そこでスペインは1899年2月12日に独西条約を締結し、カロリン諸島(現在のミクロネシア連邦)、グアムを除くマリアナ諸島(現在の北マリアナ諸島)、およびパラオを2500万ペセタでドイツ帝国に売却しました。

これらの領土はどこにあるのか?

「これらの領土が一体どこにあるのか?」――そう疑問に思う読者の方も多いでしょう。本記事では、位置関係がひと目でわかる地図をご用意しました。冒頭の地図をご覧いただければ、フィリピンの東方に広がる太平洋上、赤道付近に点在するカロリン諸島・マリアナ諸島・パラオの位置を確認できます。

16世紀のマゼラン艦隊による世界周航以来、およそ400年にわたって世界各地に広大な領土を誇ってきたスペインの海外帝国は、19世紀末のわずか1年足らずのうちに、静かにその歴史の幕を閉じたのでした。