ヨーロッパの歴史

ヘンリー8世には兄弟姉妹がいた?テューダー家のきょうだいたちの生涯

イングランド・テューダー朝の国王ヘンリー8世(1491年〜1547年)には、兄姉や弟妹が何人もいました。しかし当時は医療が発達していなかったため、その多くが幼くして亡くなり、成人まで生き延びたのは姉マーガレット、妹メアリー、そしてヘンリー自身の3人だけでした。ここでは、ヘンリー7世と王妃エリザベス・オブ・ヨークの間に生まれた兄弟姉妹の生涯を紹介します。

1. アーサー王子(ウェールズ公アーサー)

アーサー(1486年〜1502年)はヘンリー8世の兄で、両親の長男として生まれました。イングランド王位の法定推定相続人として大切に育てられ、スペイン王女キャサリン・オブ・アラゴンと結婚しましたが、結婚からわずか数か月後の1502年、15歳で病気により亡くなってしまいました。この突然の死によって、弟のヘンリーが新たな王位継承者となり、のちにヘンリー8世として即位することになります。

2. マーガレット・テューダー

マーガレット(1489年〜1541年)はヘンリー8世の姉にあたります。1503年にスコットランド王ジェームズ4世と結婚し、スコットランド王妃となりました。彼女は生前、イングランドとスコットランドの友好関係の維持に重要な役割を果たしました。孫にスコットランド女王メアリー・ステュアート、曾孫にイングランド王ジェームズ1世がおり、その血筋は現在のイギリス王室にも受け継がれています。

3. エリザベス・テューダー

エリザベス(1492年〜1495年)はヘンリー8世の妹です。残念ながら3歳という幼さでこの世を去り、イングランドの歴史に大きな足跡を残すことはありませんでした。

4. メアリー・テューダー

メアリー(1496年〜1533年)はヘンリー8世の妹です。1514年にフランス王ルイ12世と結婚してフランス王妃となりましたが、夫の死後まもなく帰国し、翌1515年にサフォーク公チャールズ・ブランドンと再婚しました。美貌と聡明さで知られ、芸術の庇護者としても名を馳せました。孫には「九日間の女王」と呼ばれたジェーン・グレイがいます。

5. エドマンド・テューダー(サマセット公)

エドマンド(1499年〜1500年)はヘンリー8世の弟です。サマセット公に叙せられましたが、生後わずか1年余りで夭折しました。

6. キャサリン・テューダー

キャサリン(1503年)はヘンリー8世の最年少の妹です。未熟児として生まれ、生後わずか数日で亡くなりました。母エリザベス・オブ・ヨークも出産の直後にこの世を去り、テューダー家に深い悲しみをもたらしました。

まとめ

ヘンリー8世の兄弟姉妹の中で成人まで成長できたのは、姉マーガレットと妹メアリー、そしてヘンリー自身の3人だけでした。兄アーサーの早世がヘンリーの即位を導き、姉マーガレットの結婚はステュアート朝への血筋をつなぐことになったように、テューダー家のきょうだいたちは、それぞれがイングランドとヨーロッパの歴史に大きな影響を与えたのです。