エンリケ航海王子自身は航海に出たのか?
ポルトガルの「エンリケ航海王子」(ドン・エンリケ、1394年〜1460年)は、大航海時代の先駆者として広く知られていますが、実は彼自身が直接遠洋航海に出たことはありません。彼の役割は、探検隊を企画・組織し、資金や知識面で支援するというものでした。
15世紀半ばに展開された一連の探検
エンリケが主導したのは、西アフリカ沿岸へ向かう数多くの探検遠征です。これらの航海は15世紀半ば、おおよそ1420年代から1460年頃まで継続的に行われました。
主な探検の歩み
- 1415年: ポルトガル軍による北アフリカのセウタ攻略に参加し、アフリカ探検への関心を深める。
- 1419〜1420年頃: マデイラ諸島の発見と植民を支援。
- 1434年: ジル・エアネス率いる船団が、それまで越えられなかったボハドル岬を突破。
- 1440年代: 探検範囲がセネガル川やギニア沿岸へと拡大。
- 1450年代後半: カーボベルデ諸島の発見・植民が進む。
エンリケの功績の意義
エンリケ航海王子は自ら海に出ることなく、サグレスに拠点を置き、航海術・地図作成・船舶技術の研究を推進しました。彼が組織した探検の積み重ねは、後のバルトロメウ・ディアスによる喜望峰到達(1488年)やヴァスコ・ダ・ガマのインド航路開拓(1498年)といった偉業への道を開くものとなりました。