ファシズムは20世紀にヨーロッパを中心に台頭した全体主義的な政治思想・体制であり、複数の国で実際に政権として実践されました。ここでは、特に代表的な4カ国の歴史を紹介します。
イタリア
ファシズム発祥の地はイタリアです。20世紀初頭、第一次世界大戦後の社会不安と経済混乱の中で、ベニート・ムッソリーニがファシズム運動を組織し、1922年の「ローマ進軍」を経て政権を掌握しました。以降、ムッソリーニは一党独裁体制を確立し、その支配は第二次世界大戦末期の1945年まで続きました。
ドイツ
1930年代のドイツでも、ファシズムはナチズムという形で定着しました。アドルフ・ヒトラー率いる国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)は、世界恐慌による深刻な不況を背景に支持を拡大し、1933年にヒトラーが首相に就任。その後、全権委任法の成立などを通じて全体主義体制を築き上げました。このナチス政権も、1945年の第二次世界大戦終結まで存続しました。
スペイン
スペインでは、1936年から1939年にかけてのスペイン内戦においてファシズム的な勢力が台頭しました。国民派を率いたフランシスコ・フランコ将軍は、内戦に勝利して独裁政権を樹立します。フランコ体制は、ヨーロッパの他のファシズム政権が崩壊した後も長く続き、1975年にフランコが死去するまで約40年間維持されました。
ポルトガル
ポルトガルでは、「エスタド・ノヴォ(新国家)」と呼ばれる権威主義体制のもとでファシズムに類似した統治が行われました。アントニオ・デ・オリヴェイラ・サラザールが指導したこの体制は1933年に始まり、強権的な独裁政治を敷きました。エスタド・ノヴォ体制は1974年のカーネーション革命によって終焉を迎えるまで、41年間にわたって続きました。
まとめ
このように、ファシズムはイタリアで誕生し、ドイツ、スペイン、ポルトガルなど各国で異なる形ながら実践されました。いずれの国でも一党独裁や言論弾圧といった共通の特徴が見られ、20世紀の歴史に大きな影響を残しました。