第一次世界大戦中のフランスでは、「国民を戦争へ駆り立てるための情報操作」と「前線の真実を隠すための検閲」が国家ぐるみで行われていました。ここでは、当時のプロパガンダと検閲の実態をわかりやすく解説します。
プロパガンダ――憎悪を煽るために作られた嘘
戦争中、ドイツ軍について語られた内容をそのまま信じるなら、彼らはフランス人の司祭を襲い、捕虜の手を切り落とし、女性を暴行し、子どもを殺していたことになります。しかし、これらはすべて真っ赤なでっち上げでした。このように、意図的に流される虚偽の情報こそが「プロパガンダ」と呼ばれるものです。
当時の絵葉書には、こうした反ドイツのプロパガンダが数多く描かれていました。その目的は、フランス人たちの間にドイツへの憎悪を植え付け、「自ら戦いたい」「兵士になりたい」と思わせることにありました。さらに、1870年の戦争でドイツに併合されたアルザス=ロレーヌ地方の記憶も、人々の心の中でまだ生々しく残っていたのです。
一方、フランス兵についてはどう描かれたのでしょうか。彼らは「戦争に行くことを喜んでいる」「国のために命を懸けて敵を倒す英雄」として宣伝されました。子どもたち、特に10代の少年少女には数多くの英雄譚が語られ、彼らもまた祖国を守る決意をもって志願兵となろうと仕向けられたのです。そして注目すべきは、学校そのものがこのプロパガンダに積極的に協力していたという点です。
検閲――前線の真実は故郷へ届かなかった
前線で実際に何が起きていたのかは、以前から疑われてはいたものの、その全貌が明らかになったのは主に終戦後のことでした。兵士たちが送ろうとした情報は、厳しい検閲によって抑え込まれていたからです。
兵士が書く一通一通の手紙はすべて読まれ、その内容次第で送付するかどうかが決められました。皮肉なことに、郵便は兵士とその家族にとって唯一とも言える精神的な支えでありながら、同時に監視の対象でもあったのです。
検閲の具体例としてよく挙げられるのが、クリスチャン・カリオン監督の映画『Merry Christmas』です。この作品は1914年のクリスマス、敵味方が一時的に武器を置いて交流した「クリスマス休戦」を描いています。劇中では、兵士たちがこの出来事を家族に書き送らないよう、手紙が事前に読まれる様子が描かれています。敵味方の交流(フラタニゼーション)は隠蔽されなければならない出来事でした。ドイツ人は、あくまで「戦うべき敵」であり続けなければならなかったからです。
新聞もまた絶えず検閲を受け、前線の真実を報道することを禁じられていました。結局のところ、新聞が伝えていたのはプロパガンダと同じ内容ばかりであり、後方の人々は前線の実態についてほとんど何も知らないまま過ごしていました。ようやく勝ち取った休暇で帰還した兵士たちは、自分の家族が「塹壕の地獄」について何ひとつ知らないことに、大きな衝撃を受けたといいます。
まとめ
プロパガンダは国民を戦争へ向かわせるために、検閲は戦争の悲惨な実態を隠すために使われました。この二つが組み合わさることで、第一次世界大戦中のフランス社会は「作られた戦争像」の中に置かれていたのです。情報を鵜呑みにせず、その背景にある意図を考える力の重要性を、この歴史は私たちに教えてくれます。