古代の歴史

12. ボロブドゥール――ジャワ島に立つ世界最大の仏教寺院(チャイティヤとヴィハーラ)

12. ボロブドゥール――ジャワ島に立つ世界最大の仏教寺院(チャイティヤとヴィハーラ)

ボロブドゥール(Borobudur)は、インドネシア中部ジャワ州マゲランに位置する大乗仏教の巨大僧院(ヴィハーラ)遺跡です。プラムバナンのシヴァ神殿群やプラオサン僧院と同様に、西暦9世紀に建立されました。建立当時は世界最大の仏教寺院であり、その壮麗な姿は今日までほぼ完全な形で保存されています。

壮大なピラミッド型の構造

ボロブドゥールは6層の方形基壇の上に築かれ、そのうち上部の3層は円形プラットフォームとなっています。遺跡からは精緻な彫刻を施された2,672面のレリーフパネルと504体の仏像が確認されており、主ドームの周囲にはストゥーパ(仏舎利塔)72基がめぐらされ、各ストゥーパの中にも仏像が納められています。1991年にはユネスコの世界文化遺産にも登録され、現在ではインドネシアを代表する観光名所となっています。

シャイレンドラ朝による建立

建立は9世紀、ジャワを支配したシャイレンドラ朝の時代に行われました。その建築様式は「ジャワ仏教建築」と呼ばれるもので、ジャワ先住民の祖先崇拝の伝統と、仏教における涅槃(解脱)の概念が融合した独特のものです。宗教建築でありながら、先祖への敬意という土着の信仰心も深く刻まれています。

インド建築の影響とインドネシア独自の個性

ボロブドゥールの建築には、4~5世紀のインド・グプタ朝建築の影響も見受けられます。しかしながら、インドネシア固有の建築要素が十分に盛り込まれているため、これは純然たるインド系建築ではなく、インドネシアの建築作品として評価されるべきものです。全体の構成は巨大なストゥーパを思わせる円形のもので、遺跡全体が一つの記念碑的なモニュメントのように立ち现れています。

三界を表す仏教宇宙観

ボロブドゥールは釈迦如来を祀る礼拝の場であると同時に、世界的に著名な仏教巡礼地でもあります。遺跡全体は、仏教宇宙論における3つの象徴的な階層——すなわち欲界(カーマダートゥ)、色界(ルーパダートゥ)、無色界(アルーパダートゥ)——を表現しています。参拝者はこれら3つの階層を順にめぐりながら頂へと登り、そこで「悟りの境地」に到達することを象徴的に体験するのです。

回廊が導く巡礼の道

遺跡の各面には階段と回廊が巧みに配置されています。回廊を抜けて進むにつれて、訪問者は自然と1,460面の物語レリーフ(叙事レリーフパネル)に沿って前進するよう導かれます。レリーフをたどることは、仏教の教えを体感しながら迷いの世界から悟りの世界へ向かう巡礼の旅そのものといえるでしょう。

このモニュメントの建設は9世紀に開始され、主要部分はこの時期に完成しましたが、一部の工事はその後の数世紀にわたって続けられたと考えられています。千年以上の時を経てなお人々を魅了し続けるボロブドゥールは、古代ジャワ文明の宗教的熱意と卓越した技術力を今に伝える貴重な遺産なのです。