古代の歴史

米原潜「スコーピオン」の謎――大西洋で消息を絶った原子力潜水艦に何が起きたのか?

米原潜「スコーピオン」の謎――大西洋で消息を絶った原子力潜水艦に何が起きたのか?

USSスコーピオン(USS Scorpion)は、アメリカ海軍のスキップジャック級原子力潜水艦である。1959年に就役したが、就役からわずか9年後、哨戒任務中にアゾレス諸島沖で突如として消息を絶った。

1968年5月、最後の通信

同艦からの信号が途絶えたのは1968年5月21日のことだった。アメリカ海軍は6月6日になってようやく潜水艦の喪失を公式に認め、本格的な捜索活動を開始した。

55隻の艦船と23機による大規模捜索

捜索にはアメリカの艦船55隻と航空機23機が投入された。そして10月末、アゾレス諸島の南約750kmの地点、水深約3,000mの海底でついに残骸が発見された。船体は深海の巨大な水圧によって真っ二つに断裂し、粉々に崩れ去っていたという。

沈没原因をめぐる長い議論

1969年1月、アメリカ海軍は調査委員会を設立した。委員会は破壊工作(サボタージュ)の可能性を排除したものの、明確な結論には至らなかった。その後1984年になり、「搭載していた魚雷の爆発が沈没の主因だった」という説が有力視されるようになった。

ソ連の関与を示唆する機密文書

しかし、1993年に公開された機密解除文書には、潜水艦がソ連側の行動によって撃沈された可能性を示す証拠が含まれていた。研究者のエド・オフリーも著書『Scorpion Down』の中でこの見解を支持し、「紛争のエスカレーション(拡大)を防ぐため、アメリカ海軍が問題を隠蔽した」と主張している。

新たな噂――ソ連の「潜水艦ハンター」の影

近年、潜水艦が送受信した最新の信号記録に基づき、「USSスコーピオンはソ連の潜水艦ハンターに標的とされた」という新たな噂が浮上している。

ある海軍通信士によれば、高速で接近するソ連の潜水艦が目撃されていたという。当然ながらペンタゴン(米国防総省)は、こうした噂や情報を一切確認してはいない。しかし、公式に否定することもなかったのだ……。

米原潜「スコーピオン」の謎――大西洋で消息を絶った原子力潜水艦に何が起きたのか?

果たして潜水艦は事故で自滅したのか、それとも外部の手によるものなのか。半世紀以上が経過した今も、USSスコーピオンの真実は深い海底とともに眠り続けている。