セコイア(Sequoia)は、ヒノキ科(Cupressaceae)に分類される針葉樹の一群で、常緑で寿命が極めて長いことで知られています。代表的な種としては、体積では世界最大級となる「ジャイアントセコイア(Sequoia giganteum)」と、高さ100メートルを超える個体もある「コースト・レッドウッド(Sequoia sempervirens)」の2種が挙げられます。
「セコイア」という名前の由来
「セコイア」という名前は、1847年にオーストリアの植物学者シュテファン・エンドリヒャー(Stephan Endlicher)によって命名されました。この名前の由来となったのは、ネイティブアメリカンの部族名ではなく、チェロキー族の指導者セコヤ(Sequoyah、およそ1770年〜1843年)という一人の人物です。
セコヤとはどのような人物か?
セコヤは、北米先住民であるチェロキー族出身の指導者であり、言語学の専門教育を受けずにチェロキー音節文字を独力で発明したことで歴史に名を残しています。識字能力がない状態から自らの民族のために文字体系を作り上げたという偉業は、世界的にも極めて珍しい出来事とされています。
結論:部族名ではなく人物名に由来する
つまり「セコイア」という樹木の名前は、特定の部族を指す言葉ではなく、チェロキー族の英雄・セコヤの個人名にちなんで付けられたものです。ただし、セコヤ自身がネイティブアメリカンの一人であることから、広い意味では北米先住民に深いゆかりのある名称だと言えるでしょう。エンドリヒャーが彼の功績を讃える意図でこの名を選んだことは、科学史と先住民の歴史をつなぐ興味深いエピソードとして今も語り継がれています。