古代の歴史

アエネアスとは誰?トロイア戦争後の放浪の旅とその最期を徹底解説

アエネアスとはどんな人物?

アエネアスは、ギリシャ・ローマ神話に登場するトロイアの英雄です。ホメロスの『イリアス』『オデュッセイア』にはトロイア戦争における彼の活躍が描かれ、ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』では、戦後にイタリアへ向かった壮大な旅の物語が語られています。

彼はトロイアの王族アンキーセスと、愛と美の女神アプロディーテー(ローマ神話ではウェヌス)の間に生まれた半神の英雄でした。勇敢で武芸に優れた戦士としてトロイア戦争で重要な役割を果たし、トロイア陥落後は生き残った同胞を率いて新天地イタリアへ渡ります。そしてその子孫が、後にローマを建国したと伝えられているのです。

トロイア戦争後、アエネアスはどこへ向かったのか

トラキアからカルタゴへ

トロイア陥落後、アエネアスとその一行は長く過酷な航海の末にイタリアを目指します。最初にたどり着いたのはトラキアで、現地の王から歓迎を受けました。しかしその後、王の息子の死をはじめとする不吉な出来事に見舞われ、一行はまもなくこの地を去ることになります。

続いて漂着したのが北アフリカのカルタゴです。ここで一行は女王ディードーの手厚い歓迎を受けます。ディードーはアエネアスに恋をして、共に留まるよう懇願しました。しかしアエネアスは、神々から与えられた使命――イタリアに新たな国を築くこと――を果たさねばならないことを悟り、ディードーの嘆願を振り切って出航します。残されたディードーは絶望のあまり自ら命を絶ったと語られています。

シチリア島での越冬

その後、一行はシチリア島に到着し、王アケステースのもてなしを受けました。一行はシチリアで冬を越し、亡き父アンキーセスを偲んで競技会を開催しています。春になると再び船出し、ついに念願のイタリアの地へ到達しました。

ラティウムへの定住と晩年

アエネアスたちはテヴェレ川の河口に上陸し、王ラティヌスが率いる先住民ラテン人たちの歓迎を受けます。アエネアスはラティヌスの娘ラウィーニアと結婚し、「ラウィニウム」という街を建設しました。

ラティヌスの死後、アエネアスはラテン人の王となり、長年にわたって国を統治しました。しかし、隣接する民族ルトゥリ人との戦いの中で戦死したと伝えられています。王位は息子アスカニウス(ユールス)が継ぎ、アルバ・ロンガという都市を建設しました。アルバ・ロンガは後のローマの祖となる都であり、アエネアスの血筋はユリウス氏族として、カエサルや初代皇帝アウグストゥスへとつながる栄光ある家系とされているのです。