多くの人が抱くイメージとは裏腹に、ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)はローマ皇帝ではありませんでした。彼が亡くなるまで、ローマには「皇帝」という称号そのものが存在しなかったのです。
カエサルの実際の役職
カエサルは優れた軍司令官(将軍)であり、執政官(コンスル)を務めた政治家でした。権力の頂点において彼が保持していたのは、紀元前44年に与えられた「終身独裁官(ディクタトル・ペルペトゥス)」という役職です。本来は非常事態にのみ置かれる臨時の職を、事実上終身で務めることを意味する、ローマ史上前例のない地位でした。
なぜ「皇帝」と誤解されるのか?
カエサルが皇帝と混同されやすい理由の一つは、彼の名「カエサル」が後世において皇帝の称号として使われるようになったことにあります。ドイツ語の「カイザー(Kaiser)」やロシア語の「ツァーリ(Tsar)」は、いずれも「カエサル」に由来しています。
初代皇帝はアウグストゥス
ローマ帝国の初代皇帝は、カエサルの養子であるオクタウィアヌス(アウグストゥス)です。彼は紀元前27年に「アウグストゥス」の尊称を受け、帝政ローマの礎を築きました。つまり、カエサルは帝国の基盤を築いた人物ではあっても、自ら皇帝の座に就いたわけではないのです。
まとめ
ユリウス・カエサルは将軍であり執政官、そして終身独裁官ではありましたが、皇帝ではありません。「いつまで皇帝だったのか」という問いへの答えは、「そもそも一度も皇帝ではなかった」ということになります。