古代の歴史

古代中国で活字はいつ発明された?畢昇の陶製活字とグーテンベルクの違いを解説

古代中国では、粘土(陶器)を使った印刷技術が実際に発明されました。しかし、この歴史はしばしば誤解されています。正確には、「活字そのもの」は中国で先に生まれており、15世紀にヨーロッパのヨハネス・グーテンベルクが発明したのは「金属活字を用いた近代的な大量印刷システム」でした。

中国での活字の発明:北宋の畢昇

世界初の活字印刷は、北宋の時代(1041年〜1048年頃)に、職人の畢昇(ひっしょう)によって発明されたとされています。彼は粘土を焼いて作った陶製の活字を用い、文字ごとに独立した活字を並べて版を組み、印刷後に組み替えて再利用できる方式を考案しました。

この発明については、同時代の科学者・沈括(しんかつ)が著書『夢渓筆談』(1088年)の中で詳しく記録しており、これが畢昇の業績を伝える最も重要な史料となっています。

その後の発展

元代には王禎(おうてい)が木製活字を開発し、活字を効率的に探せる回転式の排字盤を考案して作業性を大幅に向上させました。また、朝鮮半島では13世紀後半に金属活字が実用化され、1377年に印刷された『直指』は現存する世界最古の金属活字本として知られています。

グーテンベルクとの違い

一方、15世紀半ば(1450年代頃)にドイツのヨハネス・グーテンベルクが完成させたのは、鉛・錫・アンチモンの合金による金属活字と、ねじ式プレス機を組み合わせた大量印刷システムです。この技術により書籍が飛躍的に安価になり、ヨーロッパにおける宗教改革やルネサンス、識字率の向上に絶大な影響を与えました。

つまり、「活字の発明」自体は11世紀の中国にさかのぼりますが、それを社会全体へ普及させたのはグーテンベルクの印刷革命だったと言えます。両者はそれぞれ異なる時代と地域において、世界の印刷文化の発展に決定的な役割を果たしたのです。