結論:イングランドにはユニオンジャック以前に独自の旗が存在した
はい、イングランド王国には、1801年に採用された現在のユニオンジャック(ユニオンフラッグ)以前に、いくつかの旗が存在していました。中でも最も有名なのが、白い地に赤い十字が描かれた「イングランド旗(セント・ジョージ十字)」です。
イングランド旗(セント・ジョージ十字)とは
イングランド旗は、白地に赤い十字(セント・ジョージ十字)を配したデザインで、イングランドの守護聖人である聖ジョージ(聖ゲオルギウス)にちなんで名付けられました。この旗は12世紀に初めて使用されたとされ、中世の戦争や海戦においてイングランド軍の象徴として広く掲げられてきました。
リチャード獅子心王が十字軍遠征の際にこの意匠を採用したという逸話も伝えられていますが、意匠として確立したのは13世紀以降と考えられています。いずれにせよ、セント・ジョージ十字は長きにわたりイングランドの国家的シンボルとして親しまれてきました。
1707年の合同法とユニオンフラッグの誕生
1707年の合同法(Acts of Union)により、イングランド王国とスコットランド王国は合併してグレートブリテン王国となりました。これに伴い、イングランド旗はスコットランドの旗(青地に白の斜め十字=セント・アンドリュー十字)と組み合わせられ、「ユニオンフラッグ」が正式な旗として制定されました。
実は、両国の旗を組み合わせた最初の試みはそれよりも早く、1606年にジェームズ1世がイングランドとスコットランドの王冠を兼ねた際に行われています。1707年の合同によって、このデザインが公式の国旗となったのです。
1801年、現在のユニオンジャックへ
1801年には、アイルランドとの合同に伴い、アイルランドを象徴するセント・パトリック十字(白地に赤の斜め十字)が加わり、現在私たちが知るユニオンジャックが完成しました。こうして、イングランド・スコットランド・アイルランド、三つの守護聖人の十字が一つの旗に融合されることとなったのです。
まとめると、イングランドはユニオンジャック以前、長い間セント・ジョージ十字を国旗として掲げてきました。その意匠は今日でも、サッカーのイングランド代表戦などでファンが掲げる姿を目にすることができます。