考古学的発見

エジプト・ソハーグでプトレマイオス3世時代の監視塔とイシス神殿の遺跡を発見

ナイル川西岸、古代パノポリスとして知られるアフミームから約6キロメートルの場所に位置するソハーグ地方で活動するエジプト考古学調査隊が、プトレマイオス3世王の時代にさかのぼる関所兼監視塔の遺構と、女神イシスに捧げられた神殿の跡を発見しました。

古代遺物最高評議会のモスタファ・ワジリ事務局長によると、今回発見された関所は「タワーハウス」と呼ばれる建物に類似した、日干しレンガと煉瓦造りの建造物だといいます。この種の施設は、地域間を行き交う貨物の検査・監視、税の徴収、さらにはナイル川における船舶と航行の安全確保を目的として建てられていました。

ワジリ氏はさらに、発見された神殿は女神イシスに捧げられたもので、南北軸に沿って配置された全長33メートル、幅14メートルの規模を持つと説明しています。

エジプト・ソハーグでプトレマイオス3世時代の監視塔とイシス神殿の遺跡を発見

古代遺物最高評議会エジプト古代部門責任者のアイマン・アシュマウィー博士によれば、神殿は開放的な長方形のホールで構成されており、その中央には4本の柱が一列に並び、続いて2本の柱を備えた横長のホールが祭壇へと通じています。

神殿の中央部には階段が設けられ、床は地元産の石灰岩の石板で敷き詰められていました。

発掘調査では、神殿の北側から石灰岩製の浄化用水槽と奉納板が出土しました。また、同じく北側では、民衆文字(デモティック)で記された碑文入りのオストラコン(陶片・石片文書)5点に加え、ローマ時代の貨幣38枚と石灰岩製円柱の一部も発見されています。

さらに動物の骨も出土し、調査の結果、これらは神殿の祭司たちの食事の残りであることが判明しました。

エジプト・ソハーグでプトレマイオス3世時代の監視塔とイシス神殿の遺跡を発見

一方、上エジプト古代遺物中央管理局のモハメド・アブデル・バディ局長は、調査隊が職長の住居跡や、労働者の氏名・給与・業務内容を記した文書の断片を複数発見したほか、古王国時代末期からプトレマイオス朝時代までの各時期に属する約85基の墓も確認したと述べています。

墓の構造は多様で、山腹のさまざまな高さに穿たれた墓、1つまたは複数の埋葬用竪坑を持つ墓、斜路が埋葬室へと続く墓などが含まれています。

プトレマイオス朝時代の墓からは、古代ギリシャ語、神官文字(ヒエラティック)、民衆文字(デモティック)で記された銘文を持つ30体のミイラが見つかりました。

エジプト・ソハーグでプトレマイオス3世時代の監視塔とイシス神殿の遺跡を発見

これらの銘文には、故人の名前、父または母の名前、住所、職業、没年齢に加え、古代エジプトの神々への祈願が一般的に記されています。

調査隊はまた、遺跡内にある採石場群の記録化作業も実施し、清掃を行うとともに、ハリス・パピルスに記録されているラムセス3世の洞窟彫刻画を補強しました。同パピルスによると、ラムセス3世王は第10州に自らの神殿を建設するための石材を採取する目的で、38人の熟練した石工をこの地域(ジャバル・ハリディ)に派遣したと伝えられています。

さらに、プトレマイオス朝時代の3つの採石場も記録されており、石材の優れた品質ゆえに、ジャバル・ハリディが当時の重要な石材供給源であったことが裏付けられました。