考古学的発見

鯨油からキャンドルはどのように作られたのか?製造工程を詳しく解説

鯨油からキャンドルが作られる仕組み

18〜19世紀、鯨油は貴重な照明用の燃料として人々の生活を支えていました。鯨油キャンドルは、まず鯨の皮下脂肪(ブラバー)から油を採り出すことから始まります。脂肪を小さく切り分けて大きな鍋で加熱し、溶け出した油をすくい取って冷やし、不純物を丁寧に取り除きます。その後、油を型に流し込んで固めれば、キャンドルの完成です。

鯨油キャンドルの製造工程

ここでは、鯨油からキャンドルが作られる具体的な手順を順番に見ていきましょう。

  1. 脂肪の採取:鯨を捕獲し、体から皮下脂肪(ブラバー)を剥ぎ取ります。
  2. 切り分け:脂肪を扱いやすい大きさの小片に切り分けます。
  3. 加熱:「トライポット」と呼ばれる大型の鍋で脂肪を加熱し、油を溶かし出します。
  4. 回収と冷却:鍋の表面に浮かんだ油をすくい取り、冷まします。
  5. 精製:布で濾すことで、油に混じった不純物を取り除きます。
  6. 成型:冷えた油を型に流し込み、固まるまで置いておきます。
  7. 仕上げ:固まったキャンドルを整形・トリミングし、使用できる状態にします。

鯨油キャンドルの歴史と衰退

鯨油キャンドルは18世紀から19世紀にかけて、家庭や商店、さらには船内でも使われる主要な光源でした。明るく安定した光を放つことから、当時としては非常に価値のある照明だったのです。

しかしその一方で、鯨油キャンドルの生産は捕鯨に依存しており、コストも高いうえに資源の枯渇が懸念されていました。19世紀後半になると、より安価で入手しやすい灯油(ケロシン)や、やがて登場する電気が照明の主流となり、鯨油キャンドルの需要は急速に減少していきました。こうして鯨油キャンドルは、照明技術の発展とともに歴史の舞台から姿を消していったのです。