歴史物語

拷問の被害者は何と呼ばれるのか?「被害者」と「生存者」の違いを解説

拷問の被害者の呼び方

拷問の被害者は、一般的に「拷問被害者(拷問の犠牲者)」または「拷問生存者」と呼ばれます。

両者の違いは、その人が拷問を受けた結果どうなったかによって決まります。「拷問被害者」は拷問によって深刻な身体的・精神的被害を受けた人全般を指す言葉である一方、「拷問生存者」は拷問を生き延びた人、つまり命こそ失わなかったものの深い心の傷や後遺症を抱えて生きている人を指して使われることが多い表現です。

近年では、被害を受けた人を単なる「犠牲者」としてではなく、困難を乗り越えて生きている強さを持つ存在として捉える観点から、「生存者(サバイバー)」という呼び方が選ばれるケースも増えています。

拷問とはどのような行為か

拷問とは、以下のような目的で、意図的に人に激しい肉体的な痛みや精神的な苦痛を与える行為を指します。

  • 情報や自白を引き出すため
  • 本人への処罰として
  • 本人や第三者への威嚇・脅迫のため

拷問は、体への暴力だけでなく、長時間に及ぶ拘束、極度の恐怖を与える脅し、屈辱的な扱いなど、心を深く傷つける手段も含まれます。

拷問は国際法で禁止されている

拷問は重大な人権侵害であり、国際法の下で明確に違法とされています。

1987年に発効した国連の「拷問等禁止条約(拷問および他の残忍な、非人道的なまたは人格を傷つける取扱いまたは刑罰に関する条約)」をはじめ、拷問はいかなる状況においても正当化されないと国際社会で合意されています。戦時中であっても、緊急事態下であっても、拷問を行う口実は認められません。

このように、拷問の被害者・生存者を取り巻く問題は、個人の尊厳に関わるだけでなく、世界共通の人権保護という重要な課題にも直結しているのです。