聖ヨハネが聖人になった「特定の年」は存在しない
聖ヨハネ(使徒ヨハネ)が正式に聖人と認められた特定の年は、歴史の記録の中に存在しません。実際、聖ヨハネが何らかの宗教当局によって公式に列聖(れっせい)されたという証拠は一切見つかっていないのです。
なぜ列聖の記録がないのか?
その理由は、聖ヨハネが生きた時代にあります。彼は1世紀に活躍したイエス・キリストの使徒であり、当時はまだ教会による公式な列聖制度が確立されていなかったためです。
カトリック教会において、厳格な審査を伴う正式な列聖のプロセスが整備されたのは10世紀以降、特に12世紀から13世紀にかけてのことです。それより前に亡くなった人物、すなわち使徒たちや初期キリスト教の殉教者たちは、公式な手続きを経ることなく、信徒たちの篤い信仰と伝統の中で自然に「聖人」として崇められてきました。
初期の聖人たちはどのように認められたのか
使徒ヨハネのような人物は、後世のように「列聖」されたわけではなく、初代教会の時代から人々の信仰生活の中で聖人として尊敬され、記憶されてきました。西方教会では彼の記念日として12月27日が定められ、早くからこの日に礼拝が捧げられていたことが知られています。
つまり聖ヨハネは、「ある年に聖人になった」のではなく、最初から聖人として崇敬されてきた存在だと言えるでしょう。これは彼一人に限らず、すべての使徒に共通する特徴でもあります。