歴史物語

『ジョニー・トレメイン』でジョニーとラブが初めて出会うのはどんな場面?

エスター・フォーブスの歴史小説『ジョニー・トレメイン』(1943年刊行、翌年にニューベリー賞を受賞)は、アメリカ独立革命前夜のボストンを舞台に、一人の少年の成長と友情を描いた名作です。物語の中核を担うのが、主人公ジョニーと年上の青年ラブ・シルスビーとの出会いです。

事故で未来を失った少年ジョニー

ジョニー・トレメインは、ボストンの銀細工職人のもとで修業をする14歳の弟子です。類まれな才能を持ち、職人としての明るい将来を嘱望されていました。しかし、ある日仕事中の事故で右手に熱した銀を浴びてしまい、親指が掌にくっついて動かせない状態になります。これにより銀細工師への道を絶たれたジョニーは、自分にできる仕事を求めて町を放浪する日々を送ります。

「ボストン・オブザーバー」の印刷所での運命の出会い

追い詰められたジョニーがたどり着いたのが、週刊紙「ボストン・オブザーバー」の発行所でした。そこで彼を迎えたのが、印刷職人の見習いを務めるラブ・シルスビーです。ラブは、ジョニーの不自由な手を見ても憐れむことも疑うこともなく、静かに彼を受け止めました。その落ち着きと誠実さに触れたジョニーは、初めて会ったはずの相手に不思議な安らぎを感じます。

やがてラブは、ジョニーに新聞配達の仕事を紹介します。こうして二人の交流が始まり、ジョニーは再び生きる目的を見出すことになるのです。

友情がもたらしたもの

年長者のラブは、ジョニーにとって良き友人であると同時に、人生の導き手でもありました。ラブとの関わりを通じて、ジョニーは愛国者組織「自由の息子たち」の世界へと引き込まれ、サミュエル・アダムズやジョン・ハンコック、ポール・リヴィアなど、歴史に名を残す人物たちとも接するようになります。

印刷所での最初の出会いから芽生えた信頼は、物語を通じて二人を支える深い絆へと育っていきます。激動の独立戦争の時代を生き抜く中で、ジョニーとラブの友情は、互いを支え、成長させるかけがえのない存在となっていくのです。