一見すると、おとぎ話のような恋物語でした。ところが実際には、どこか陰鬱で、ハッピーエンドからは程遠い物語だったのです。 マウリツィオ・グッチがパトリツィア・レッジャーニと出会ったのは、ミラノ大学でのこと。二人とも22歳でした。彼は有名な俳優であり、ファッション史に名を刻む最も著名な一族の一員でもあるロドルフォ・グッチの息子。内気で引っ込み思案な青年です。一方の彼女は、ウェイトレスの娘として生まれ、継父に甘やかされて育った美しい女性でした。二人はたちまち激しい恋に落ちます。 映画『ハウス・オブ・グッチ』予告編 ここまでは、まさにおとぎ話の部分です。マウリツィオは父親を嫌っており、何としても父に