北米の歴史

エディンバラ公爵賞の誕生——フィリップ公爵はなぜこのプログラムを始めたのか?

「エディンバラ公爵賞(Duke of Edinburgh's Award)」は、1956年にイギリスで創設された青少年向けの表彰プログラムです。創設者は、当時エリザベス2世女王の夫であったフィリップ王配(エディンバラ公爵)でした。

創設の背景にある信念

フィリップ公爵は、「若者が地域社会の中で責任ある役割を担うことは、心身ともに完全な成長につながる」という信念を持っていました。学校の勉強だけでは育まれない自立心や忍耐力、社会性を養うため、青少年が自ら目標を設定し、挑戦を重ねながら成長できる場としてこのプログラムを考案したのです。

プログラムの仕組み

対象は主に14歳から24歳までの青少年で、次の4つの活動領域それぞれにおいて目標を掲げ、その達成を目指します。

  • ボランティア活動(奉仕):地域社会への貢献を通じて他者を思いやる力を育む
  • 身体的活動:スポーツや体力づくりによる健康の増進
  • 技能:趣味や専門スキルの習得による自己表現力の向上
  • 探検・遠征:チームで計画を立て、実行する冒険体験

達成度に応じて「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」の3段階のレベルが用意されており、短期間の成果ではなく、継続的な努力と挑戦のプロセスそのものが評価される点が大きな特徴です。

世界へ広がったその影響

イギリスで始まったこの取り組みは、現在「国際青年賞(The International Award)」として世界130か国以上に拡大し、これまでに数百万人規模の若者が参加してきました。日本でも同様のプログラムが導入され、多くの青少年がチャレンジの場を得ています。

2021年に99歳で逝去したフィリップ公爵ですが、若者の可能性を信じ、その成長を後押しするために始めたこのプログラムは、彼の残した最も大きな遺産の一つとして、今なお世界中で受け継がれています。