単一の部門(機関)が政府全体を支配することを防ぐために確立されたのが、「抑制と均衡」(チェック・アンド・バランス)と呼ばれるシステムです。
抑制と均衡の基本的な考え方
このシステムでは、政府の各部門がそれぞれ一定の権限を持ち、他の部門の権力を制限できるように設計されています。これにより、どれか一つの部門に権力が集中しすぎる事態を防ぎ、権力の乱用を抑えることができます。
具体的な例:大統領と議会の関係
アメリカ合衆国を例にとると、この仕組みは次のように機能します。
- 大統領の拒否権: 議会で可決された法律に対して、大統領は拒否権(veto)を行使することができます。
- 議会による拒否権の覆し: 一方で、議会が両院とも3分の2以上の賛成票で再採決すれば、大統領の拒否権を覆して法律を成立させることが可能です。
なぜ重要なのか
このように互いに牽制し合う構造を持つことで、立法府・行政府・司法府のバランスが保たれ、民主主義的な統治が維持されます。抑制と均衡は、権力分立(三権分立)の原則を実効性のあるものにするための重要な制度といえます。