.45ACP弾(.45 Auto、Automatic Colt Pistol)は、ジョン・M・ブラウニングによってコルトM1911ピストル用に開発された拳銃弾です。「.45」という名称はインチの百分の一単位に由来し、弾頭直径は11.43mmに相当します。メートル法での呼称は「11.43×23mm」で、アルゼンチンやノルウェーでは「11.25mm」と呼ばれることもあります。この弾薬は主にアメリカ合衆国で使用されており、同国では確固たる伝統として根付いています。多くの拳銃や一部の短機関銃がこの弾薬を使用するように設計されています。
開発の歴史
.45ACP弾は.38ACP弾をベースに開発されました。その背景には、1900年代初頭にアメリカ騎兵隊が9mm口径のリボルバーを試験したものの、従来の.45コルト弾(しばしば誤って「.45ロングコルト」と呼ばれる)搭載モデルを置き換えるには不十分だと判断したという経緯があります。コルト社とブラウニングは1904年頃、約10mmの.41口径の武器の開発に取り組んでいましたが、騎兵隊の要請を受けて1905年に.45口径へと変更しました。当初の弾薬は13gの弾頭を初速275m/sで発射するものでしたが、すぐに15gの弾頭を初速260m/sで発射する仕様へと移行しています。
長所と短所
短所
.45ACP弾は重くて低速な弾頭を持つため、発射時に生じる運動量(反動)が、その運動エネルギーに比べて大きいという特徴があります。また、大口径であるため装弾数が制限され(コルトM1911ではわずか7発)、生産にもより多くの資源を必要とするため、戦時中には大きな不利となります。さらに低い弾速は第二次世界大戦中に深刻な欠点となりました。M1やM3A1などアメリカ軍の短機関銃の有効射程を約50m程度に制限し、これは敵が使用したMP40のおよそ半分に過ぎませんでした。
長所
一方で、大きな口径と穏やかな威力には以下のような利点があります。
- 大直径の弾頭は、同じ拡張率でも小口径よりも多くのエネルギーを標的に伝達します。これにより生命維持器官を損傷させる可能性が高まり、優れたストッピングパワーにつながります。
- 適度な威力のため、大きなマズルフラッシュや爆音が発生しません。
- 他の拳銃弾に比べて腔内圧力が低いため、銃器への負担が少なく、射手にも比較的穏やかな反動しか与えません。
- 弾頭の貫通力が抑えられ、目標を貫通してしまうリスクが減少します。
9mmパラベラムとの競争
.45ACP弾はまさにアメリカの伝統とも言える存在ですが、軍隊では9mmパラベラム弾が主流になりつつあります。米陸軍は1980年代に名機コルトM1911をM9へと更新しましたが、その後、多くの特殊部隊が再び.45ACP弾を使用する武器を採用しています。
派生弾種
.45オートからは以下のような派生弾種が生まれました。
- .451 Detonics:高圧強化版
- .45 HP:薬莢を1mm短縮したバージョン。イタリアの法律回避のために作られました。
- .45 GAP:薬莢と全長を短縮したバージョン。グロック社がコンパクトな武器で使用できるよう開発しました。
- .454 Casull:クラシックな.45弾の「マグナム」バージョン。
技術データ
この弾薬の特性は装薬量や使用する弾頭の種類によって異なります。標準的な軍用弾の諸元は以下の通りです。
- 弾頭:被甲弾頭(FMJ - Full Metal Jacketed)
- メートル法呼称:11.43×23mm
- 弾頭重量:15g
- 実包重量:21.5g
- 初速:260m/s