古代の歴史

M20 75mm無反動砲|米軍が第二次世界大戦で開発した軽量・高火力の歩兵砲

M20 75mm無反動砲|米軍が第二次世界大戦で開発した軽量・高火力の歩兵砲

M20 75mm無反動砲とは

75mm無反動砲M20(アメリカ)

M20 75mm無反動砲は、第二次世界大戦中にアメリカが57mm無反動砲T15E3をベースとして開発した歩兵用直射火砲です。軽量でありながら強力な火力を持つことから、軽装甲車両の破壊に極めて適した兵器として、歩兵部隊の火力を大きく向上させました。

主要諸元

  • 口径:75mm
  • 初速:330m/s
  • 射程:約2,000m(直接照準射撃時)
  • 水平旋回範囲:360度
  • 全備重量:約115kg

無反動機構の仕組み

本砲の弾薬には、薬莢側面に多数の孔が開けられた「多孔薬莢」が採用されています。発射の際、燃焼ガスの一部がこの孔から後方へ噴出することで、反動を相殺する仕組みです。

この機構により、従来の火砲に不可欠だった大型の駐退復座機や頑丈な砲架が不要となり、比較的軽量な三脚架での運用が可能になりました。重量あたりの火力効率という点で、当時としては画期的な設計でした。

開発の経緯

大戦中、アメリカ陸軍はより効率的な装備を求めて口径の拡大と閉鎖機構(ブリーチ)の改良を推し進めました。開発過程では、従来型の分離装填式弾薬を使用するタイプと、多孔式かつ予め施条加工された薬筒を使用するタイプの2種類が並行して試作されましたが、技術的な問題により前者は廃止され、後者が実用化されました。

運用方法

通常は地上に据えた三脚から射撃を行い、移動の際にはジープなどの軽量四輪駆動車に搭載して輸送されました。分解して人員による担送も可能なため、機械化されていない部隊や特殊な地形での作戦にも対応できました。

配備と実戦での使用

1945年には空挺歩兵部隊に配備され、落下傘降下作戦に伴う火力支援手段として重宝されました。さらに1950年代には、海外展開していたフランス軍編成下の一部行進砲兵部隊でも運用され、インドシナなど海外戦域における実戦でその能力が発揮されました。