「When in Rome, do as the Romans do(ローマではローマ人のように振る舞え)」は、訪れた土地の文化や習慣に順応することを促す西洋の格言です。日本語では「郷に入っては郷に従え」という言葉として広く知られています。
格言が伝えるメッセージ
この格言は、旅行者が現地の文化や生活様式に合わせて行動すべきだと教えるものです。自分の常識や習慣を押し付けるのではなく、その土地ならではのやり方を尊重しようという姿勢を表しています。
また、この言葉は文字通りの旅行の場面にとどまらず、比喩的にも幅広く応用できます。たとえば、新しい職場や学校、初めて参加するコミュニティなど、未知の環境に身を置いたとき、まずはその場のルールや慣習に馴染むことが円滑な人間関係の第一歩となる——そんな人生の教訓としても使われています。
由来は4世紀の聖アンブロジウス
この格言に関する最も古い記録は、西暦390年頃に聖アンブロジウス(St. Ambrose)によって言及されたものとされています。聖アンブロジウスは4世紀のミラノ司教であり、キリスト教史上きわめて重要な人物の一人です。
当時、各地の教会では礼拝の作法や習慣が少しずつ異なっていました。それについて聖アンブロジウスは、「自分の故郷のやり方にこだわらず、訪れた土地の習慣に従うべきだ」という趣旨の助言を与えたと伝えられており、これが格言の原型になったといわれています。
その後、この言葉は時代を経てヨーロッパ中に広まり、今日では世界中で使われる普遍的な格言となりました。「相手の立場に立って柔軟に対応する」という精神は、国際化が進んだ現代においても、変わらぬ価値を持っているのです。