エトルリア神殿とギリシャ神殿に共通する特徴
古代イタリアで栄えたエトルリアの神殿建築は、同時代のギリシャ神殿と多くの共通点を持っています。
- 長方形の平面プラン: どちらの神殿も、基本的に長方形の形状を採用していました。
- 基壇の上に建設: 両方の神殿とも、台状の基壇(スティロバテス)の上に建てられ、地面から高く持ち上げられた構造でした。
- 周囲を巡る列柱: 建物の外周には柱廊(コロネード)がめぐらされ、柱が建物を取り囲む形式が共通していました。
- ペディメント(三角破風): 建物の正面と背面には、三角形の切妻部分であるペディメントが設けられていました。
エトルリア神殿とギリシャ神殿の主な相違点
柱の様式
- エトルリアの神殿では柱に木材が使われることが多かったのに対し、ギリシャの神殿では石材が用いられました。
- エトルリアの柱頭(柱の上部)には、渦巻き文様(ボリュート)などの装飾が施されることが多い一方、ギリシャの柱頭はより簡素で、装飾のないものが一般的でした。
屋根の構造
- エトルリア神殿の屋根は木造であることが多いのに対し、ギリシャ神殿の屋根は石材やテラコッタの瓦で覆われていました。
- エトルリア神殿は、ギリシャ神殿に比べて軒の出(庇)が広いという特徴がありました。
ペディメントの彫刻
- エトルリア神殿のペディメントは彫刻で飾られることが多かった一方、ギリシャ神殿のペディメントは通常、無装飾のままでした。
- エトルリアの彫刻は、ギリシャの彫刻に比べてより写実的で、細部まで精密に作り込まれている傾向がありました。
まとめ
全体として見ると、エトルリアの神殿はギリシャの神殿に比べて構造が簡素で、洗練度の面では一歩譲ります。しかし逆に、彫刻や絵画による装飾はギリシャ神殿よりも豊かで、華やかな外観を持っていた点が大きな特徴といえます。このように、両者の神殿建築は基本的な形式を共有しながらも、素材や装飾のアプローチにおいて独自の発展を遂げたのです。