結論から言えば、アングロサクソン人がトイレットペーパーを持っていた可能性はほぼゼロです。彼らが暮らしていた時代には、トイレットペーパーはまだ存在していなかったのです。
トイレットペーパーの歴史をたどる
トイレットペーパーに近いものは、6世紀のローマ帝国で広く使われるようになりました。当時のローマでは、棒の先にスポンジを取り付けた「テルソリウム(tersorium)」と呼ばれる道具が公衆トイレで使われていたことが記録に残っています。
一方、イングランドでトイレットペーパーが一般に普及したのは、なんと14世紀になってからです。この遅れの最大の原因は生産力の不足でした。紙そのものが高価な貴重品であり、衛生用途として大量に供給できる状況には到底なかったのです。
アングロサクソン人が生きた時代
アングロサクソン人がブリテン島で暮らしていたのは、5世紀から11世紀にかけての時期です。つまり、彼らの活動期間は、ローマで衛生用具が登場した頃よりも後、しかしイングランドへのトイレットペーパー普及よりはるかに前ということになります。
では、何を使っていたのか?
アングロサクソン人をはじめとする中世以前の人々は、身近にある自然の素材を代用していました。主なものは以下の通りです。
- 苔や柔らかい草の葉
- 干し草やわら
- 木の葉や樹皮
- 水で洗い流す方法
これらは誰でも無料で手に入り、農村部では特に身近な選択肢だったと考えられます。
まとめ
アングロサクソン人がトイレットペーパーを持っていたことはなく、苔や干し草など、その場で調達できる自然素材で用を足していたのが実情です。ちなみに、現代のような市販のトイレットペーパーが初めて登場するのは、1857年にアメリカでジョセフ・ゲイエティが製品化してからのこと。それまでの人類は、長い間工夫しながら代替品で乗り切っていたのです。