古代エジプトの書記官は「夕食」を食べていたのか?
結論から言うと、古代エジプトの書記官たちは、現代の私たちが思い浮かべるような「夕食(ディナー)」を食べていませんでした。彼らが生きていたのは今から数千年前。そもそも「夕食」という概念そのものがまだ存在していなかったのです。
とはいえ、何も食べていなかったわけではありません。古代エジプト人たちは、独自のリズムで毎日の食事を楽しんでいました。
古代エジプト人の1日の食事スタイル
古代エジプトでは、一般的に1日2回の食事が主流だったと考えられています。朝にはパンとビールで手軽な食事をとり、日中の仕事を終えた午後から夕方にかけて、1日で最もボリュームのある食事をいただきました。
つまり「夜にしっかり食べる」という点だけを見れば、現代の夕食に近い習慣がすでにあったとも言えるのです。
書記官たちの食卓に並んでいたもの
書記官は文字の読み書きができる貴重な知識階級であり、王や貴族に仕えるエリート職でした。そのため、一般庶民よりも恵まれた食生活を送っていたと考えられます。
主食はパンとビール
古代エジプトの食事の中心は、なんといってもパンです。大麦や小麦から作られたパンは、毎日の主要なカロリー源でした。また、当時のビールは現在のようなアルコール度数の高いものではなく、栄養豊富な「飲む食べ物」として、大人から子どもまで日常的に親しまれていました。
野菜と果物
タマネギ、ニンニク、ネギ、レンズ豆、ひよこ豆などの野菜や豆類がよく食べられていました。果物では、ナツメヤシ、イチジク、ザクロ、メロンなどが人気でした。
魚と肉
ナイル川で獲れる魚は、身近なタンパク源として重要でした。一方、肉類は高級品で、牛肉は裕福な層や特別な行事の際に口にできるものでした。書記官のような上流階級であれば、牛肉やアヒル・ガチョウなどの家禽を味わう機会もあったでしょう。
まとめ
古代エジプトの書記官たちは、現代的な意味での「夕食」を食べていたわけではありません。しかし、1日の終わりにパン、ビール、野菜、魚などを囲む習慣は確かにありました。「夕食」という言葉こそなかったものの、仕事の後に仲間と食卓を共にする——そんな光景は、現代の私たちとさほど変わらなかったのかもしれません。