スーパーで商品を手に取るとき、多くの人が真っ先に確認するのが「賞味期限」や「消費期限」です。では、この日付表示はいつ、どのようにして生まれたのでしょうか。実はその起源は、18世紀末から19世紀初頭のフランスにさかのぼります。
食品保存の先駆者ニコラ・アペール
フランスの菓子職人ニコラ・アペール(Nicolas Appert)は、食品を長期保存する方法を研究し、瓶詰めによる加熱殺菌法を開発しました。食べ物を瓶に詰めて密閉し、湯の中で丁寧に加熱するという、シンプルながら画期的な手法です。この技法は後の缶詰技術の基礎となり、1810年に著書として発表されたことで広く知られるようになりました。
20世紀、日付表示の制度化へ
食品の保存技術とは別に、「いつまでおいしく、安全に食べられるか」を示す日付表示が一般化したのは20世紀に入ってからのことです。アメリカでは、1966年に制定された公正包装表示法(Fair Packaging and Labeling Act)によって、消費者が商品情報を正しく把握できるよう表示の透明性が求められるようになりました。さらに1970年代には、牛乳や食肉などの生鮮食品を中心に「オープンデーティング(open dating)」と呼ばれる日付表示が広く普及していきました。
日本の「消費期限」と「賞味期限」の違い
日本では、安全性が特に重要な弁当や生麺などには「消費期限」、お菓子や缶詰など品質が比較的安定した食品には「賞味期限」と、表示が使い分けられています。期限表示は単なるルールではなく、食品ロスを減らし、安心して食生活を送るための大切な目安なのです。