ニムロッド要塞――十字軍時代のレヴァントに立つイスラームの城塞中世のレヴァント地方に建てられた城は、すべて十字軍、あるいは当時この地に点在したキリスト教王国の手によるものだと考えられがちです。しかし実際にはまったくそうではなく、その最良の例のひとつが、圧倒的な存在感を誇るニムロッド要塞です。ダマスカスを守るために建設された要塞ニムロッド要塞は、第6回十字軍の際にダマスカスを防衛するため、サラディンの甥にあたるアル=アズィーズ・ウスマーンによって、1228年頃に建設されました。場所はヘルモン山の南斜面、標高800メートルの尾根沿いです。この断崖絶壁の立地から、アラビア語では「カルアット・アル=ス