出雲阿国(いずものおくに、1572年頃~1613年?)は、日本の伝統演劇のなかでも特に華やかで壮麗なジャンルとして知られる「歌舞伎」の創始者とされる人物です。 巫女としての日々 阿国については、同時代および後世の絵画や図録、貴族の日記など数多くの資料に言及が残されていますが、確実な事実として知られている点はごくわずかです。 1572年頃、日本列島が統一へ向かう激動の時代に生まれた阿国は、西日本の松江で鍛冶屋を営む中村三右衛門の娘だったと伝えられています。家族の他の者たちと同じく、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を祀る出雲大社に仕えていた可能性があり、ある資料では彼女を神社に仕える「巫女」で