ニコラエ・チャウシェスク 権力への道 ニコラエ・チャウシェスク(1918-1989)は、ルーマニアの共産主義活動家にして独裁者である。1936年からルーマニア共産党で活動を始め、1954年以降は党中央委員会、続いて中央委員会政治局でキャリアを積み上げた。そして1965年、ルーマニア共産党書記長に就任し、国家の事実上の最高指導者の座に就いたのである。 恐怖政治と異常な個人崇拝 権力を握ったチャウシェスクは、恐怖政治と常軌を逸した個人崇拝を国全体に敷き詰めた。彼の時代のルーマニアでは盗聴が日常となり、権力への偏執的な疑心暗鬼は、膨大な官僚機構の肥大化として現れた。タイプライターの使用には許可証が