概要
ソッピース キャメル(Sopwith Camel)は、第一次世界大戦期にイギリスで開発・運用された単座の複葉戦闘機です。ソッピース社の設計陣が手掛けた機体の中でも最も優れた傑作とされ、1916年12月22日の初飛行以降、約6,000機が生産されました。
本機の最大の特徴は、機首の機関銃部を覆う整流カバーがラクダのこぶのように見えたことから付けられた「キャメル」の愛称です。大戦終盤の空戦において連合軍に大きな優位をもたらし、公式記録だけで1,294機もの敵機を撃墜した、第一次世界大戦を代表する名戦闘機です。
主要諸元
役割:戦闘機
乗員:パイロット1名
エンジン:ノーム(Gnome)製9気筒回転式エンジン・151馬力
寸法
全幅:8.5m
全長:5.72m
全高:2.59m
主翼面積:21.45㎡
重量
空虚重量:421kg
武装装備時:659kg
性能
最大速度:185km/h(マッハ0.15)
設計と武装
ソッピース キャメルは、出力150馬力(110kW)のノーム製9気筒回転式エンジンを搭載していました。武装として、コックピット前方にヴィッカース .303(7.62mm)機関銃を2丁搭載し、プロペラと同期させて発射できる構造になっていました。これらの機関銃は整流カバーで覆われ、そのこぶ状のシルエットが「キャメル(ラクダ)」という愛称の由来となりました。最高速度は185km/hに達しました。
特異な操縦特性
回転式エンジン特有のジャイロ効果により、本機の操縦は初心者にとって非常に困難でした。機体はもともと不安定な性格で、水平かつ安定した飛行を維持するには、パイロットが飛行中ずっと操縦桿を修正し続ける必要がありました。実際、多くの訓練生が難しい着陸進入に失敗して命を落としたといわれています。
一方で、この特性はエンジンの回転方向への急旋回を容易にしました。「右へ270°旋回する方が、左へ90°旋回するよりも有利」とまで言われたほどです。この圧倒的な格闘戦能力こそが、第一次世界大戦終盤における連合軍の空戦優位の一因となりました。
戦歴
1917年7月4日の実戦投入から、1918年11月11日の休戦までの期間に、ソッピース キャメルは公式に1,294機の敵機を撃墜しました。この戦果は第一次世界大戦のあらゆる戦あらゆる戦闘機の中でも群を抜くものであり、本機が「大戦最強の戦闘機」と評される由縁となっています。
派生型:Sopwith F.1 Camel
F.1はキャメルの標準的な量産型で、標準型との相違は主にエンジンや一部の細部にあります。
基本情報
メーカー:ソッピース航空会社
種類:戦闘機
就役年:1917年
動力
形式:回転式エンジン
ブランド:クレルジェ(Clerget)
型式:9B
搭載数:1基
単基出力:130馬力
合計出力:130馬力
プロペラ:牽引式・木製2枚羽根
寸法・重量
全幅:8.53m
全長:5.72m
全高:2.59m
重量:659kg
翼形式:複葉(バイプレーン)
性能
速度:185km/h
実用上昇限度:5,791m
航続時間:2.5時間
武装
固定武装:機関銃2丁