古代の歴史

FM Mle 24/29(FM 24/29)─ フランス軍制式軽機関銃の歴史と実戦

FM Mle 24/29(FM 24/29)─ フランス軍制式軽機関銃の歴史と実戦

主要諸元

  • 使用弾薬: 7.5mm×54mm フランス弾(1929C型)
  • 全長: 1,080 mm
  • 銃身長: 500 mm
  • 重量(空虚): 9.1 kg
  • 有効射程: 600 m
  • 発射速度: 500 発/分
  • 弾倉容量: 25 発(上面装填式ボックスマガジン)

概要

FM Mle 24/29(通称 FM 24/29)は、20世紀前半から中盤にかけてフランス軍の主力軽機関銃(Fusil-Mitrailleur)として運用された名銃です。第二次世界大戦、インドシナ戦争、アルジェリア戦争と、フランス軍の戦後海外作戦を支え続けました。

開発の経緯:試作銃 MAC 1924 から制式採用へ

第一次世界大戦で主力だったショーセ軽機関銃(FM Mle 1915 CSRG)の後継として、1924年にシャトレロー造兵廠(MAC)が開発した MAC 1923 試作銃 が採用試験で優秀な成績を収め、MAS 1922、ホチキス M1922、ルイス銃 Mk I、ブローニング BAR M1918 らを退けて制式化されました。1925 年から量産が始まり、1926 年に FM Mle 1924 として制式採用されます。この初期型は短命に終わった 7.5mm×58mm(1924C型) 弾を使用した唯一の銃となりました。

完成型:FM Mle 1924 M29(FM 24/29)

1924C 型弾が薬莢長の問題で給弾不良を起こしやすかったため、1929 年に薬莢を短縮した 7.5mm×54mm(1929C型) 弾へ対応する改修が実施されました。マガジンと銃身の変更を主体としたこの改修型が FM Mle 1924 M29、通称 FM 24/29 です。1960 年代初頭に AA-52(AAT Mle 52)が配備されるまで、約 35 年間にわたりフランス歩兵分隊の基幹火力を担いました。

構造と特徴

同時代の軽機関銃に共通するガス圧作動・ティルトボルトロック方式を採用。単発と連射の切り替えは 二段引き金(ダブルトリガー) で行います。銃床・ピストルグリップ・銃身覆いには木製パーツが用いられ、上面装填式の 25 発ボックスマガジンは左側にオフセットされており、照星・照門も左寄りに配置されるため右利き射手にとって自然な照準が可能です。銃身下部には左右に折り畳み式の二脚を備え、銃床下部には一脚(モノポッド)を取り付け可能。また、オートバイのサイドカーへの架装も想定されていました。

唯一の派生型:FM 24/29D

マジノ線の常設陣地用として、重弾頭を使用する 7.5mm×54mm D 型(1933D 型) 弾に対応させた FM 24/29D が存在します。しかし、同任務では間もなくレーベル機関銃(Mitrailleuse Reibel)に置き換えられたため、生産数は限定的でした。

実戦投入と退役後の行方

フランス兵から高い信頼を得た FM 24/29 は、第二次大戦(1940 年のフランス戦役、自由フランス軍の戦い)、インドシナ戦争、アルジェリア戦争と実戦で酷使されました。1965 年頃に制式装備から外れた後も、国家警察(特に CRS 機動隊)と国家憲兵隊の部隊・予備装備として長く保管され、7.5mm MAS 弾薬の完全廃止に伴い 2006 年 にようやく全廃されました。

興味深いことに、1940 年の休戦後にドイツ軍が鹵獲した多数の FM 24/29(制式名:LeMG 116(f))は、東部戦線(エストニア方面含む)でドイツ軍補助部隊や、フランス製・ロシア製など各国の鹵獲自動火器で混成装備された部隊によって実戦投入されています。また、退役後の大半はフランスの旧植民地だったアフリカ諸国へ軍事援助として供与され、現地の紛争で長く姿を見せ続けました。