古代の歴史

英国の司教は貴族院に議席を持つ?「聖職者議員」の仕組みを解説

イギリスでは、26人のイングランド国教会(英国国教会)の司教が「聖職者議員(Lords Spiritual/ローズ・スピリチュアル)」として貴族院(House of Lords)に議席を持ちます。宗教指導者が立法府の一員として政治に関わるこの制度は、イギリスならではの歴史的背景を持つ特徴的な仕組みです。

聖職者議員の構成

26人の聖職者議員は、主に以下のメンバーによって構成されています。

カンタベリー大主教とヨーク大主教

イングランド国教会における最高位の聖職者であるカンタベリー大主教とヨーク大主教は、自動的に貴族院の議席を有します。

21人の教区主教

ロンドン、ダラム、ウィンチェスターの各教区主教は伝統的に議席を持ちます。残りの18議席については、他の教区主教の中から在任期間の長い順に選ばれます。

持ち回りで選ばれる1人

さらに、上記以外のイングランド国教会の各教区から、持ち回り(ローテーション)方式で1人の司教が追加で選出されます。

世俗議員との関係

聖職者議員は、世襲貴族、一代貴族(終身貴族)、元裁判官などで構成される「世俗議員(Lords Temporal)」とともに貴族院に着席し、審議に参加します。このように、聖職者と世俗の貴族が同じ議場で国政を担う形態は、イギリスの議会制度における独特な伝統といえるでしょう。