チューダー朝時代(1485年~1603年)のイングランドでは、犯罪者や政治犯に対してさまざまな残酷な拷問が公然と行われていました。自白を強要すること、あるいは他者への見せしめとすることが主な目的でした。ここでは、当時実際に使用された代表的な拷問道具を5つ紹介します。
1. 拷問台(ザ・ラック)
被害者の手足を逆方向に引っ張り、体全体を引き伸ばす装置です。関節が外れるほどの力で牽引され、激しい痛みとともに身体に深刻な損傷をもたらしました。ロンドン塔などでも使用され、当時最も恐れられた拷問の一つでした。
2. サムスクリュー(拇指拷問器)
ねじを締め付けることで被害者の親指を圧砕する小型の金属製装置です。骨が砕けるほど強く締め上げられ、耐え難い苦痛を与えられました。コンパクトながら、その残酷さは有名です。
3. 鉄の処女(アイアン・メイデン)
内側に無数の釘やスパイクが打ち込まれた、棺のような形状の装置です。中に人を収容し、扉を閉めると釘が全身に突き刺さり、死に至らしめられました。その不気味な外観から、恐怖の象徴として語り継がれています。
4. 沸騰水の責め
被害者を沸騰した湯の中に沈めるという極めて残酷な刑罰です。全身に重度の火傷を負わせるもので、多くの場合、命を落とす結果となりました。
5. 火刑
被害者を杭に縛り付け、生きたまま焼き殺す公開処刑です。異端者や魔女とされた人々に対してよく適用され、大勢の群衆の前で執行されることで、強烈な見せしめ効果を持たせていました。
これらの拷問は、現代から見れば信じがたいほど残虐ですが、チューダー朝時代の司法においては正当な手段とみなされていました。権力を維持し、秩序を強制するための道具として、長い間使われ続けたのです。