古代の歴史

旧北西部におけるインディアンの最後の抵抗――1832年、ブラック・ホーク戦争

アメリカ合衆国の旧北西部(オールド・ノースウェスト)において、白人入植者に対するインディアンの組織的な抵抗が最後に見られたのは、1832年の「ブラック・ホーク戦争」でした。この戦いを率いたのは、ソーク族の戦争指導者ブラック・ホークです。

抵抗の背景

1804年に締結されたセントルイス条約により、ソーク族とフォックス族(メスクワキー族)はミシシッピ川以東の広大な土地を合衆国へ譲渡したことになっていました。しかし、ブラック・ホークをはじめ多くの部族民は、この条約が正当な同意のもとに交わされたものではないと考え、その有効性を認めませんでした。

1831年、ブラック・ホークの一行はイリノイ州ロックアイランド近郊にある伝統的な村サウケヌクへ戻り、入植者との間で緊張が高まりました。そして翌1832年4月、彼はおよそ千人の部族民を率いて再びミシシッピ川を渡り、イリノイ領内に入ります。これが戦争の発端となりました。

1832年の戦闘と終結

イリノイ民兵と合衆国正規軍はこれを敵対行為とみなし、追撃を開始しました。ウィスコンシン準州でのスティルマンズ・ランの戦いなど小規模な衝突が続いたのち、同年8月のバッド・アクスの戦いで、ブラック・ホークの一団は壊滅的な打撃を受けます。ミシシッピ川の渡河を試みたところを待ち伏せされ、戦士のみならず女性や子どもまで多くが犠牲となりました。

敗れたブラック・ホークは捕らえられ、一時は東部各地で見世物にされるという屈辱を味わいました。しかしその獄中での語りは後に出版され、先住民族側の視点を伝える貴重な史料として今日まで読み継がれています。

歴史的意義

ブラック・ホーク戦争の敗北は、旧北西部におけるインディアンの武装抵抗を事実上終わらせる結果となりました。この地域の先住民の土地は急速に白人入植へと開放され、合衆国の西進が一段と加速していきます。1830年代に本格化したインディアン強制移住政策とも相まって、この戦争は北米先住民族の歴史における大きな転換点となったのです。