先王朝時代は、エジプトの歴史が正式に始まるティニス朝時代(第1・第2王朝期)の直前に位置する時期です。この時代の初め、エジプト人たちはすでに矢や銛、土器を作り、赭(おうど)を染料として用い、収穫物を石臼で挽き、動物の皮を縫い合わせ、削器で骨を加工し、編み物なども行っていました。 紀元前9000年頃 農耕の始まり 先王朝時代の初期、古代エジプトはナイル川に沿って南北に細長く広がる土地でした。ナイル川は世界最長の河川で、その長さは6,671kmに及びます。その流路によって、2つの大きな居住可能地域が形成されました。南では、ナイル渓谷が現在のアスワンからカイロまで延びています。北では、ナイルデルタ