エジプト史における異民族の侵入と覇権エジプトはその長い歴史を通じて、統一と侵略という波に幾度もさらされてきました。一般に学ばれる歴史では、ローマ人による支配(紀元前1世紀)や19世紀のヨーロッパ列強の進出が強調されがちですが、実際にはそれ以前の時代にも数多くの侵入と覇権争いが繰り返されていました。しかし、こうした危機や覇権の交代についての歴史的考察は、今なお十分に掘り起こされているとは言えません。ヌビア帝国の台頭とエジプトによる支配ナイル川の南、現在のスーダンにあたる地域には、中王国時代のエジプトが衰退期に入っていた頃、古代帝国が形成されていました。紀元前18世紀から前16世紀にかけて、ヌビア