1944年11月、セルビア・ニシュの上空で繰り広げられた大規模な空中戦。第二次世界大戦がまだ終わりを見せない時期だけに、重大な出来事となるはずのこの戦闘には、ある特異な事情があった……セルビアの空で、同盟国同士であるはずのアメリカ軍とソ連軍が衝突したのだ。その口実となったのは、互いをドイツ軍と誤認したことであった。誤認攻撃――赤軍の車両縦隊が襲われる1944年秋、バルカン半島北部ではソ連軍がドイツ軍を猛烈に追撃していた。11月7日、第6親衛狙撃兵団の大規模な車両縦隊が、ニシュからベオグラードへ向けて移動していたのである。すると午前10時頃、突如としてアメリカ軍のP-38ライトニング戦闘機群が出