はじめに:ローマ帝国の分権統治への道かつて地中海世界を支配した大ローマ帝国は、歴史上幾度も分裂と再統一を繰り返してきました。皇帝ディオクレティアヌスは、まず二人の皇帝による「両頭政治」を確立し、さらに四人の皇帝による「四分統治(テトラルキア)」を導入しました。この制度のもとで、帝国は正帝「アウグストゥス」と副帝「カエサル」によって共同統治されることになります。コンスタンティヌス帝の時代に一時的に領土の統一が回復されましたが、彼以降、単独で帝国を恒久的に統治した皇帝は現れませんでした。それ以降、共同統治こそが帝国を治めるための基本方針となっていったのです。395年――帝国分割の年西暦395年、テ