悪化の一途をたどる南ベトナム情勢 事態は悪化こそすれ、好転することはなかった。1963年、ゴ・ディン・ジエム大統領が暗殺されると、政権はグエン・カーン体制へと移行した。サイゴン政府が実効的に支配できる領土は都市部のみへと縮小し、残りの国土はほぼすべてベトコンの手に委ねられることになった。民政防衛隊や民間自衛隊といった組織は、しばしば住民からの反発を買う存在となっていた。 南ベトナム軍はヘリコプターで戦場まで輸送され、より優れた装備を持ち、十分な食糧供給も受けていた。それにもかかわらず、ベトコンの方がはるかに上手く戦ったのである。 一方、サイゴンに流れ込んだドルの奔流は、政治的な陰謀と汚職を助