書類や著作物、イベントのプログラムなどで、ラテン語の表現 Nomen nominandum(まだ命名されていない)を目にしたことがある人は少なくないでしょう。この表現は、まだ正体が明らかになっていない人物や、何らかの理由で名前が伏せられている人物を指すために用いられます。 実はこの表現は、古代ローマ法学で使われていた古い略称 N.N. の誤解から生まれたものです。ローマ法学において N.N. は、被告を表す架空の名前ヌメリウス・ネギディウス(Numerius Negidius)の頭文字を示していました。 人によらず法によって裁くという原則 古代ローマ法学の基本原則の一つは、相手が誰であるかにか