ヴェルサイユ条約はドイツ軍を大幅に制限した。それならば、1920年代前半のライヒスヴェーア(ドイツ国防軍)首脳部は、ポーランドの攻撃を常に恐れていたはずである。ところが、そうではなかった。ドイツ人たちは、開戦となれば最終的な勝利は自らの手にあると確信していたのだ。 ちょっと待ってほしい。どこかおかしいと思わないだろうか。兵力で3分の1に抑えられ、重装備も奪われたドイツ軍が、どうやって赤軍を撃破したばかりのポーランド軍に対抗できようか。敗戦のショックでドイツ軍は現実を見失ってしまったのか。――決してそんなことはない。 ヴェルサイユ条約によってドイツの軍事力は大きく制限されたが、ライヒスヴェーアの