やや大げさに「悪魔の聖書(The Devils Bible)」、あるいは「サタンの法典(Code of Satan)」などとも呼ばれるが、一般にはコデックス・ギガス(Codex Gigas=巨大な書物)として知られている。後者の名称の方が事実に即してはいるものの、前者の持つ神秘的な響きには到底及ばない。ただし実際のところ、どの呼び名もその内容を的確に表してはいないのである。確かにこれは一冊の本である。かなり古い書物であり、収集家や好事家たちの強い関心を集めてきた結果、周囲には謎めいたオーラが漂うようになった。それは、多くの物語にロマンティックな色彩を添えてきた神話的で不可思議な書物――ラブクラ