大戦最大級の脱走劇は「大脱走」ではなかった第二次世界大戦中最大の捕虜脱走事件といえば、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、ドイツの捕虜収容所「シュタラグ・ルフトIII」で起きた二つの脱走劇だろう。映画『大脱走』のモデルとなった事件と、それより前に実行された「木馬作戦」である。しかし、前者には76人が参加し、脱走に成功したのはわずか3人。後者に至っては参加者3人にとどまった。だが、これらとは比較にならない規模の集団脱走が、実はオーストラリアで起きていた。日本軍捕虜1,000人以上が一斉に脱走を図った、カウラ事件である。静かな田舎町に設けられた第12捕虜収容所カウラは、オーストラリア東海岸に近いニ