イスラーム社会は、宗教と政治の領域がまったく分離されていない、神権的な性格を持っていました。独立首長国(エミール国)の段階では、政治面においてバグダードのカリフとの結びつきを断ち切りながらも、精神的な優位性は認め続けていました。しかし、アブドゥッラフマーン3世が自らカリフを名乗ると、アル・アンダルスはアッバース朝カリフとの間に残っていた最後の絆を完全に断ち切ることになります。 カリフは共同体の世俗的かつ宗教的な最高指導者でした。金曜礼拝を主宰し、最終的な司法判断を下し、自らの名を刻んだ貨幣を鋳造し、軍隊を指揮する立場にあったのです。 アル・アンダルスの政治構造 カリフの側近にはハージブ(宮廷侍