小動物の心臓を見せながらチャールズ1世の前で循環理論を説くハーヴェイ。アーネスト・ボード(1877〜1934)画/WIKIMEDIA COMMONS 1628年、英国の医師・解剖学者ウィリアム・ハーヴェイはフランクフルトで『動物の心臓および血液の運動についての解剖学的研究』を出版した。70ページ余り、挿絵4点というコンパクトな著作の中で、彼は人体における血液循環の実証を提示し、古代以来医学界が守り続けてきた誤った学説を打ち破ったのである。 東洋ではすでに知られていた「循環」の概念 他の知識分野と同様、東洋の科学は何世紀にもわたりヨーロッパに先行していた。紀元前2600年頃に書かれた中国医