大モンゴルの支配者たちは、考古学者や歴史家を今なお魅了してやまない謎を後世に残した。それは、自分たちの墓の正確な位置を永遠に伏せてしまうという、驚くほど徹底した「隠蔽」である。その最も有名な例がチンギス・カンだろう。研究者たちの長年の努力、各地で囁かれてきた「発見」の噂(もちろん中国以外の場所での)、さらには数年前に試みられた人工衛星を用いた最先端の捜索にもかかわらず、その最期の眠りの場所は、今日まで厳重に秘密のままとされている。チンギス・カンの場合、手がかりとなる文献資料はおろか、確かな伝承すら存在しない。ところが、史料こそ残っているのに、事実上同じように謎のまま放置されてきた例がある。その