スペイン人修道士フライ・マルティン・デ・ムルーア(Fray Martín de Murúa)は、メルセス修道会に属する聖職者で、1566年から1615年にかけて活動しました。彼はインカ帝国とペルーの歴史を描いた挿絵入り写本を2冊執筆し、いつか出版することを夢見ていました。しかし、スペイン国王から出版許可が下りる前に世を去り、この願いは生前には叶いませんでした。彼の唯一無二で卓越した業績が研究者や一般の人々に知られるようになったのは、20世紀に入ってからのことだったのです。波乱万丈の出版史その波乱に満ちた経緯は次の通りです。1911年、最初のムルーア写本が姿を現しました。しかし残念なことに、司祭