ロンドンで発生したテロ事件を受けて、各国メディアはこれを「議会制民主主義の揺籃の地」への攻撃であると報じ、英国諸島における民主主義の誕生について多くを語りました。この機会に、著書『プランタジネット朝』のなかでこのテーマに割いた章――国王ヘンリー3世(在位1216〜1272年)に関する章――の一節を改めて紹介したいと思います。ただし冒頭でお伝えしておきたいのは、ユネスコによれば、1188年にレオンでアルフォンソ9世が開いた議会(クーレス)こそが、欧州議会制度に関する最古の文書記録とされているという点です。個性に乏しかった王、ヘンリー3世イングランド王ヘンリー3世は、際立った個性を持たない王でした